クロスバイク購入前の比較ポイント解説
前ページまでで主要な自転車ブランド・メーカーがなんとなくわかりました。
次に「自転車のどこに目を付けて(着目して)見ていくと、購入車種を決めていくポイントになるのか」を知っておきましょう。
それがわからないと価格の違いやクロスバイクの車種を選ぶ際の判断基準がわからないためです。
このページの自転車&クロスバイク話
自転車を購入前に見るポイント
カーボン製フロントフォーク
グリップシフターとトリガーシフター
クロスバイクの着眼点1 フロントフォークの材質
クロスバイクの前輪を挟み、車輪を抱え込んでいる部分を「フロントフォーク」と呼びます。
マウンテンバイク系ではこの根元の部分がサスペンション化されているものもあります。
その場合、「サスペンションフォーク」と呼ばれたりもします。
カーボンフォークとアルミフォーク
自転車の車体のフレームの色と、フロントフォークの色がバラバラの車種を見たことはありませんか?
スピードバイク系のクロスバイクの方が好きな人は、クロスバイクとマウンテンバイクの違い解説でも少し触れましたが、サスペンション無しのクロスバイクをオススメします。
さて、今回は材質のお話。もし、フロントフォークの色が黒であれば、おそらくそれはカーボングラスファイバー(炭素繊維)が使われているフロントフォーク。
カーボンフォークと略されて呼ばれる場合が多いです。
カーボンフォークでもフレームボディーと同じ塗色を施されていて一見しただけではカーボンと分からない車種もあります。
フロントフォークがカーボンか金属かカタログのスペックや商品説明などに記載されているので、車種選択・比較の際はフロントフォークを確認しましょう。
おすすめクロスバイク検索
[クロモリ] ▶AMPIO(ジオス)
[カーボン] ▶RSR4(ルイガノ)
カッコ内はフロントフォークの材質。年度によって変更する可能性があります。
カーボンフォークの効果 吸収力
1 衝撃を吸収・分散、和らげる効果
この効果は乗った(所有した)ことのある人は実感できるはず。初心者ナビの購入自転車はジャイアントのエスケープR2で、購入年のR2はカーボンフォークを採用していました。
後輪(リア)まわりは普通にアルミのフレームで、前輪(フロント)はカーボンなので、路面が少しゴツゴツしている道路を走っている時に「ああ、なるほど!」と衝撃吸収の効果を感じることができます。
後輪からの衝撃は、硬いアルミフレームがそのまま振動を伝えていて、シート(サドル)がクッションとなっているだけなのですが、ハンドルを握る両手に意識 を集中させると、振動の感覚が「ゴム」っぽい感触…わかりますでしょうか?
本来…「ガチャガチャ・ガタガタ・ガガガガ」(←感触の表現)と伝わるところが、「ゴロゴロ・コンコン・コツコツ」と、丸みを帯びた柔らかい振動であるのがわかります。
アルミは硬いのでタイヤのゴム越しにもう少し直接的に衝撃を拾うはず。
クロスバイクは30~40キロの距離は普通に走る自転車です。1時間や2時間は漕ぎ続けて進み続ける乗り方をしたくなるような自転車。
それだけの距離・時間、握りっぱなしになるハンドルの手の感触が「ガタガタ」ではなく「ゴロゴロ」であるのは潜在的にかなりの疲労度が軽減されて(され続けて)いると思います。
カーボンフォークの効果 軽量化
2 カーボン=軽く、車体が軽量化される
スピードの出るロードバイクやクロスバイクにとって車体の重さは重要なポイント。上級モデルであればあるほど、数十~数百グラムの軽量化で価格が違うのがスポーツバイク自転車の世界。
でも、もちろん、初心者が買う時に気にするのは「ちょっと高いから、あっちよりこっち!」で良いと思います。
軽量化も上を見ればきりがなく、結局フルカーボンが最高…となってしまうので、あまり病的にこだわりすぎない方が良いです。
亀裂が入るようなダメージを受けると危険
金属のようにグニャっと曲がってそのままというわけではなく、小さな亀裂からある日一発でポッキリ折れる…そんな話を聞いたことがあります。以前トレックのサイトにカーボンについての注意書きがありました。(現在は解説ページありませんので、リンク無しで引用します)
金属パーツとは異なり、想定外の衝撃を受けたカーボンフレームおよびパーツは通常、曲がり、膨らみ、変形を生じることなく、破損することがあります。一見すると正常に見える場合でも、前兆なしに突然不具合を生じる可能性があります。そのなかでも、カーボン製のフォーク、ハンドルバーおよびステムは特に注意する必要があります。
激しい転倒後は注意しましょう。
クロスバイクの着眼点2 シフトチェンジのスタイル
グリップシフターとトリガーシフター
クロスバイクの場合、ギアの変速の操作は「トリガーシフター(トリガーシフト)」と「グリップシフター(グリップシフト)」の2種類の形があります。
クロスバイクが出始めた頃はマウンテンバイクで採用されていたグリップシフター採用車も多かったので、気にしておきましょう。
これをカチカチと操作することで、タイヤのあたりにある「ディレイラー」が動き、ギアを変えます。
グリップシフターのクロスバイクはホームセンター等で販売されているクロスバイクや子供用の自転車で見かけたとこがあります。他の自転車中堅ブランドの自転車車種はほとんどがトリガーシフターです。
今が何速のギアに入っているかの表示も見やすいので、使いやすいタイプのシフターです。
なお、シフト機構の名前はラピッドファイヤーやトリガーシフターと呼ばれているのですが、ラピッドファイヤーという名称はシマノ社の、トリガーシフターはSRAM社の商標とのこと。
上の写真のクロスバイクのシフターはシマノのトリガーシフター形式。
ロードバイクはドロップハンドルですので、また別の形のシフターです。
クロスバイクの着眼点3 タイヤの細さ
ロードなら23、クロスバイクは28が一般的
クロスバイクはママチャリ(シティサイクル)と比べると、驚くほど細いタイヤを履いています。各メーカー、そして車種のグレードによっても、クロスバイクのタイヤを見るとサイズの違うものがあるのに気が付きます。
左の縞模様状のタイヤは700×23Cタイヤ。右は換装する前の700×28Cの標準装備のノーマルタイヤ。
28Cのタイヤでも自転車初心者には細く感じるのですが、23Cに換装することもできます。
23Cタイヤはロードバイクと同じタイヤで加速は比べ物にならないほどスムーズになります。
例えば、(執筆時の年度のスペック→)ジャイアントのエスケープR3は「700x28C」という、幅が28ミリ(=2.8センチ)のタイヤがセットアップされているのですが、ルイガノの RSR-4のタイヤは「700x25C」でした。
そんなところに注目して見てみよう
クロスバイクを買うのも乗るのもその人
ただでさえ初心者から見て「細い」と感じるタイヤがさらに細いなんて…「自分に乗れるかな?すぐ滑って転んだりしないだろうか?」そんな風に不安がよぎったり、「じゃ、もっと細いタイヤのモデルがいい!」とか、タイヤが購入の選択材料に入ってくるようになると思います。
でも、タイヤは自分でもいつでも気軽に交換できる部分なので、車体より重視することのないようにしましょう。
「クロスバイクを見る時の要点」を解説しました。
お金を出して買うのも、その後に乗り続けるのもその人・本人。そこから先は「他人のおすすめクロスバイク」ではなく、乗る本人が理解して考えていく方が良いです。