クロスバイクの材質と特性
クロスバイクやロードバイクの車体に使われる材質が走りの違いを生む!
…なーんて、広告のようなイメージやキャッチコピーではなく、ざっくりとシンプルに解説していきましょう。
クロスバイクやロードバイクのフレームやフロントフォークに使われる素材・材質について説明します。
このページの自転車&クロスバイク話
自転車の素材のパターン
スチール・クロモリ・アルミ・カーボン
素材の特性&長所と短所
クロスバイクの素材 スチール
スチール素材のクロスバイク・自転車の特徴
スチール (steel) ⇒ 鋼鉄・はがね = 重い・安い・サビやすい
スチール製の自転車の代表格は、いわゆるホームセンター的なママチャリ。
一台8千円台の無変速シティサイクル、1万6~8千円ほどの6段変速自転車などありますが、この価格帯のママチャリの材質は主としてスチール。
重量は17キロ以上となり、とても重い自転車です。
また、ノーブランドで低価格のクロスバイクや折り畳み自転車の中にもスチールフレームの車体があり、特にインターネットで車体を購入する時は注意が必要です。
価格の安い折り畳み自転車や、高級外車の名前の自転車にもフルスチールの自転車があります。
スチール製の折り畳み自転車は安く、コンパクトに収納することができるのですが、重くて持ち運びするのが嫌になってしまい、普通の自転車としてしか使わないケースも多いかもしれない。
クロスバイク解説 まとめも
スチールフレームの自転車の特徴
■他の素材より重い
■価格が安い
■錆びやすい
■いわゆる『鉄』
クロスバイクの素材 アルミ
アルミ素材のクロスバイク・自転車の特徴
アルミニウム合金 (aluminum alloy) ⇒ アルミニウム合金・ジュラルミン = 比較的軽い・頑丈
アルミ合金は低~中級~高級のスポーツ自転車に採用されている一般的な素材。
合金にはその金属比率などで国際規格があり、一円玉のように軟らかいアルミニウムから、航空機の素材として使われる高強度のアルミニウム(ジュラルミン)まで種類・分類があります。
一般的にスチールより軽量で強度もあるため、スポーツ自転車の世界ではポピュラーな金属素材。
これは、普通・平凡レベルという意味ではなく、コスト面や強度的に一番適した材質という事。
初心者も上級者もアルミフレームの自転車で全然OKです。
ただし、「強度がある=曲がらない=10の力が10で伝わる」というイメージの金属ですので、乗り心地は他の材質のスポーツバイクと比べれば「硬い」印象があります。
▶camaleonte(ビアンキ)
▶LGS-RSR(ルイガノ)
▶MISTRAL(GIOS)
クロスバイク解説 まとめも
アルミフレームの自転車の特徴
■スチールより軽い
■価格はそこそこ
■硬く、衝撃をそのまま伝えやすい
クロスバイクの素材 カーボン
カーボン素材のクロスバイク・自転車の特徴
カーボン (carbon fiber reinforced-carbon matrix-composite) ⇒ 軽い・丈夫・高価
カーボン素材は炭素繊維と強化プラスチックを熱処理し、炭化・ガラス化(グラファイト化)させた素材。
軽量で強度のある非金属素材のため、自転車のフレームなどに使われると非常に軽い車体が構築できます。
軽いので宇宙船や戦闘機の素材にも使われています。
フレームの全てがカーボン化されたフルカーボン車もありますが、たいてい20~30万円以上の高級ロードバイク。
クロスバイクのフルカーボンは買う人がいないので作られません。
固まるだけの金属と違い、価格が高いので低級車ではフロントフォークのみに取り入れて普及価格帯を維持しています。
前輪のフロントフォークだけではなく、後輪を支える部分にもカーボンが使われているカーボンバックのクロスバイクやロードバイクもあります。
▶camaleonte(ビアンキ)
▶LGS-RSR(ルイガノ)
▶CANTARE(GIOS)
クロスバイク解説 まとめも
カーボンフレームの自転車の特徴
■非金属のため軽い
■価格が高い
■衝撃を和らげる
■小さな傷から一気に砕ける
クロスバイクの素材 クロモリ
クロモリ素材のクロスバイク・自転車の特徴
クロモリ (chromium molybdenum steel) ⇒ クロムモブリデン鋼 = アルミより重い・しなる金属
クロモリは鉄にクロム(クロームめっきなどのクロム)、モリブデンを添加した低合金鋼(鋼=スチールの一種)。
ようするに鉄の一種。
アルミニウム合金が軽くて頑丈であるのに対し、クロモリはスチール(鋼鉄)系の合金なのでアルミより重い。
弾性を有するしなやかな素材のため、衝撃吸収性があり、自転車のフレームに使われると高回転走行時にはバネのような作用があり、アルミフレームより気持ちよく加速していくと言われています。
フレームはアルミ、フォークにクロモリという構成をする車体もあり、フルでクロモリフレームを採用するモデルがみられるジオスやアンカーなどこだわり派にはたまらない素材。
▶AMPIO(GIOS)
▶SPAZIO FLAT(GIOS)
▶BTN(ルイガノ)
クロスバイク解説 まとめも
クロモリフレームの自転車の特徴
■アルミより重い
■衝撃吸収性・しなやかでバネがある
■採用車種はそれほど多くない
クロスバイクの素材 ハイテンシル
ハイテン素材のクロスバイク・自転車の特徴
ハイテンシル (high tensile steel) ⇒ ハイテンシル鋼(高張力鋼)
ハイテンシルスチールは普通の鋼(スチール)に、マンガン、シリコン、ニッケル、モリブデンといった元素の添加したスチール系素材の一種。
鉄の一種。
ハイテンと呼ばれ、クロモリ系(モブリデン系)の金属特性を持つ素材。
主にフロントフォークに使われる事が多い金属材料です。
クロスバイク解説 まとめも
ハイテンフレームの自転車の特徴
■スチールの一種
■フロントフォークに使われる
■シティサイクル系
クロスバイク・自転車素材のまとめ
初心者ならアルミフレーム自転車でOK
初心者も上級者も普通に選択できるアルミフレームは間違いのない素材。少し上を見てカーボンフォーク搭載車という選択順序がおすすめ。
クロモリは「注目した車体が好き」かどうかで射程内に入れた方がいいでしょう。
気を付けたいのはホームセンターや高級自動車ブランドのクロスバイク。
材質が明記されていない場合もあるのですが、車体重量でアルミかスチールか検討がついてしまうほど両者の重量は違いがあります。
とりあえずは安い謎のスチールクロスバイクではなく、普通にアルミのクロスバイクを選択することができれば、幸せな気持ちになれます。