クロスバイクのグレードと値段の決まり方
クロスバイクの全体的な価格設定はロードバイクの価格設定より比較的安いとは言え、10万円超えのクロスバイクもあります。
また、初心者に手が届きやすい5万円前後のクロスバイクも多く存在します。
似たような人力の自転車に5万円も10万円もの価格の差があるのはどういうことでしょうか?
このページの自転車&クロスバイク話
自転車=パーツの組み合わせ
使われている素材の価格差
変速系パーツのグレード差
自転車の価格の違いを考えてみよう
原料費が違えば、価格は全体的に底上げする
まず第一に自転車に使われている素材の価格。
これが違えば価格は全体的に「価格帯」として変わってきます。
分かりやすいのが一般的なアルミフレームの自転車と、カーボンフレーム(フルカーボン)の自転車の価格ですね。
耐久性は問題のない素材で、かつ、軽い・衝撃を素材自体が吸収する物質…この要素に加えて加工(技術)コスト・量産しやすいか・重量による運送コスト。
これらは車体に何の素材を用いるかで価格に響いてきます。
前ページのクロスバイク購入前の比較ポイント解説でも少し解説をしています。
そしてこの上に「販売メーカーの利益率の設定」があるわけですね。
その後の作業者・販売店の人件費や賃料・光熱費はどの車体も一律にかかってきます。
自転車パーツの信頼・ブランド力
変速パーツのグレードの違いによる価格差
自転車にエンジンはありません。
でも、ギアはあります。
数段しかないママチャリのギアと違い、クロスバイクやロードバイクのギアは20段以上。
スポーツ自転車にとって、実はこの変速機能を司るギヤのシステムに高い価値があるようです。
日本の釣り具メーカーのシマノってありますよね? 釣り具屋さんなどで、リールや釣り竿の「SHIMANO」の青いのぼりを見たことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
あのシマノ、実は世界でトップクラスの自転車の変速機構パーツのメーカーSHIMANOなのです。
トップクラスというより、信頼性や人気・導入実績は世界一。
…で、世界中の一流自転車メーカーがそのシマノのギアパーツを使っていたりするのですが、コンポーネントと呼ばれる変速パーツセットに入門者向けの低価格のグレードのコンポーネントや、世界的レースで大きな違いを生む滑らかに変速が行える最高級グレードのコンポーネントがあるのです。
そのコンポーネントのグレードの価格差は車体の価格に大きく反映されていきます。
写真はロードバイクのミッション部分。
ギアまわりの構成パーツにはグレードがあり、使われているパーツのグレードによって、車体の価格帯は違ってきます。
後輪のディレイラーと呼ばれる変速パーツもクランク(漕ぐ部分)の歯車付近も、シフトチェンジするトリガーシフターなどもシマノのパーツが使われているモデルが多いです。
クロスバイク用品検索
▶DURA-ACE(デュラエース)
▶ULTEGRA(アルテグラ)
▶105
▶TIAGRA(ティアグラ)
▶SORA(ソラ)
上から上位品。色々なパーツがあるんですね。
このような変速機構パーツがシリーズ化されたものがコンポーネントと呼ばれ、単体でも販売されています。
全部メーカーが作ってるんじゃなかったんだ!?
パーツの組み合わせで車種を組む自転車メーカー
自転車のスペックを比較してみると、違うメーカーのクロスバイクでも同じシマノの同じコンポーネントが使われていることがよくあります。
もちろんシマノ以外にもコンポーネントを手がける有名なメーカーは世界に数社あります。
…つまり、自転車って、フレーム+ギヤで作り上げられてエスケープ(ジャイアント)やLGS-RSR(ルイガノ)やカメレオンテ(ビアンキ)として売り出されているんです。
ジャイアントやビアンキがフレームもギアもタイヤも全部作ってエスケープやカメレオンテを登場させているわけではありません。
バラバラなパーツの集合体=自転車の価格
初心者ナビ的 勝手な企画会議イメージ
製造や生産業、企画業などの人は「何この当たり前の話は…」かもしれませんが、知らないと言うより、考えたことが無い場合、似たような自転車なのに価格が違う理由がピンと来ないかも。
お客様(わたしたち)は神様ではありませんので、あっちの人のことを考えてみて理解してみてもいいかもしれませんね。
○○社のシフターで、コンポーネントは××社のこのグレードで、自転車初心者が買いやすい価格帯の自転車を組み立ててカラーデザインして売り出していこう!
…で、ネーミングは★★★と名付けよう。
…フォークだけカーボン使ったの作れば入門車じゃ納得できない人にも売れるはず。
それから女性用としてサドルをちょこっと別のものにして…でも、女性はあまりグイグイ走るタイプじゃないから、フロントは3枚ギアのMTB系コンポーネントにして坂道もラクラクな路線の方がいいかもしれない。おお、これぞ女性専用設計車だ!
価格上げないようにタイヤは耐久性があれば別に同じでいいんじゃん?
…と、、、自転車ってきっとそういう具合だったんですね。
買う前の初心者の人には見えてこないイロイロを、憶測を交えて書いてみました。
まあ、あまり悩まずにさくっと買ってたくさん走った方が良いですね。