ステムの交換方法と角度調整
クロスバイクのハンドルまでの距離を変えると、乗り心地や加速力が変わってきます。
それに必要なのはステムの交換。
フレームサイズの選択をミスった人や、体格の違う人にサイズを合わせたい時、前傾姿勢がキツイので楽なポジションに変えたい時…どんどん改善していこう。
このページの自転車&クロスバイク話
クロスバイクのステム交換
フレームサイズが合わない時に有効
可変ステムの取り付け&角度調整
クロスバイクのステム交換方法
ステムは各所調整できるようになってから
ステムというのは「T」字ハンドルの「|」←この部分。フレームとハンドルとの結合パーツ。
ステムの長さを長い物や短い物に交換したり、角度の違うステムに換えることで、身体とハンドルの距離を変更することができます。
ステムを交換するためにはハンドルをフレームから外す必要があり、その作業はタイヤとハンドルの向きがバラバラになる作業を経るので、車体の感覚や整備調整作業にある程度慣れた時期に行うのをお勧めします。
ステムを探す時の重要確認点
ステムは両サイドがハンドルやフォークを貫くコラムをつかむ部分になっているので、「サイズ」があります。
クロスバイク用品かんたん検索
可変ステム(25.4mm径)
可変ステム(31.8mm径)
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ステムサイズのポイント
自転車屋さんの販促サイトを見るとハンドルをつかむ側が「ハンドルクランプ径」、フォーク側が「(フォーク)コラムクランプ径」との事。
ハンドルクランプ径は通常「25.4mm」「26.0mm」「31.8mm」。コラムクランプ径もハンドルクランプ径と同じようにサイズがあり、「28.6mm=1-1/4インチ」がステムでよく使われる「オーバーサイズ」と呼ばれる定番サイズのようです。
伸縮しない金属の塊なので自分のクロスバイクのスペック表をにらめっこし、ハンドルバーとコラムの太さに合った(径の)ステムを確認して購入しましょう。
クロスバイクのハンドルバーを外す
ハンドル全体をフレームから分離します
ステムを交換するのに、グリップや(トリガー)シフターを外す必要はありません。コックピットの正面からハンドルを受けているステムのボルトをアーレンキー(六角棒レンチ)で緩めて外してしまいましょう。
外した後にフラットバーハンドルの真ん中は割り出しにくいので、ハンドルバーを外す前にペンでぐるっと印を付けておくと良いかもしれません。
交換するステムについては、ハンドルのバーを挟んで咥えこませるような形になります。写真のエスケープR2のハンドルバーのスペック は「Aluminum 25.4 540mm」。正面からアーレンキー(六角棒レンチ)でボルトを緩めるとハンドルがごっそり落ちます。
ハンドルバーは円筒形をしているため、それに合うハンドルコラム径のステムを購入しないと、ハンドルバーをきちんと抱え込むことはできません。
ハンドルバーを外すとこんな感じ
以下はエスケープR2のハンドルを外したところ。左の写真のステムは実は上下を逆に取り付けた後の写真であり、ステムの下に貼りつけてあったシールが上に来ている状態です。
どうして上下を逆に付けたかと言うと、純正ステムは可変ステムではないので、一度、ハンドルの高さを低いポジションにして試してみたかったのです。
角度の付いている固定ステムの上下をひっくり返して取り付けることで、下方に角度のついたハンドルポジションをセッティングすることができるのです。
前傾にはなりましたが、やっぱりハンドルまでの位置が近い気がしたので、純正(9センチ)より長いステム(11センチ)を購入したのでした。
ステム交換作業の続き
名称がよくわからないので、「コレ」扱いしてます。上部は小さなプラスチックカバーで封印されているので、爪でカリカリやって外しましょう。
その後、アーレンキー(六角棒レンチ)でボルトを緩め、TOPの蓋を外します。(蓋はトップキャップと呼ばれます)
これは、ステムを上から抑えている役割を持っています。この蓋を緩めるとフロントタイヤとハンドルステムの動きがバラバラになります。
逆に言えば、この蓋を締め込むと、フロントフォークが固定されてしまうので、ステムを交換して組み上げる時はタイヤの方向とステムの方向を揃えて締めなければタイヤはあさっての方向を向いて固定されてしまいます。
覚えておきましょう。
調整に慣れてからね~
さて、トップの蓋が取れましたね。ステムは左右から六角ボルトで締めつけて固定されています。
それを緩めればステムは上にスポンと抜けることになります。
クロスバイクのステムを外す
緩めると車輪とステムは連動しなくなる
ステムの固定ボルトが緩めば、ばっちり決まっていたハンドルとタイヤの方向がバラバラのフリーな状態になります。
ステム交換や再調整などの明確な理由がない場合は、安易に緩めない方がいいです。
ステムを外します
写真のように、アーレンキー(六角棒レンチ)で両サイドから締めつけてある六角ボルトを緩めてください。
こうすればステムは上から抜くことができます。
リング状のスペーサーが使われています
ステムの下はいくつかのバラバラの円筒パーツが挟み込まれています。
これは「スペーサー」と呼ばれ…タネを明かすと、スペーサーの順番を組み替えるとハンドルの高さを低い位置にセッティングすることができるのです。
可変ステムなどで角度を付けてハンドルを下げる感覚と、スペーサーを外し、ハンドルの場所を変えてハンドルを下げるのとは走行感覚が変わりますので、こだわる方は追及してみるのも面白いと思います。
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この時点でフレームからフロントフォーク自体もスポっと抜けますので、ご注意を。
購入した新しいステムに交換
ステム交換⇒逆の順序で元に戻す…のだけど
ノーマル純正ステムを外したら、新しいステムに交換しましょう。ステムにはボルトが付いているので、緩めてからスペーサーのあるポールに設置します。
ステムを固定するために締め付けをするのですが、ボルトは上下均等に代わる代わる締めていきます。ここは仮固定という感じに緩く留めておきましょう。
前項の作業でフロントフォークが抜けるということを書いておきました。
何も考えずにステムだけを締めるとステムは抜けなくなるのですが、おそらくフロントフォークは隙間が空いてしまいガタがあるはずです。
本締め前の作業はちょっと難関
高速&操舵部分なのでしっかりと
コラム部分にガタがある状態で走行すると、異音がする他、当然走行に影響が出ますので、ステムを固定するのと同時に、フロントフォークのガタ(隙間)がないようにしながら、ステムでスペーサーを詰めるように組付ける必要があるのです。
これがけっこう苦戦します。
ステムは仮固定でTOPを締める
コツとしては、ステムを緩く仮固定した後、フロントフォークから延びるポールをまっすぐ貫いている事を意識しながら、TOPの蓋を一度組み付けて軽く締めつけます。
こうすると、スペーサーやフォークの根元に余計な空間が無くなるので、その時にステムを締めて固定します。
トップの蓋を締めつけすぎると、フロントフォークの下方が詰まりすぎてタイヤが左右に動くこともできなくなります。
その状態でステムも締めてしまうと、トップの蓋のボルトを緩めてもやはりタイヤが動きませんので、そのあたりを計算しながら各所組み付けを行わなくてはいけません。
ガタが出るのは右写真のフォークの上、黒いパーツの部分。
タイヤと平行にして固定しながら「蓋」部分のボルトを締め、なおかつ、最下段のガタが出る部分を隙間なくまっすぐに締め付け、ハンドルが付くステムの方向もまっすぐにしたベストコンディションで最後の締め付けをしなければいけないので、あれこれ理解してからではないと難しい作業になります。
でも、経験してわかっていれば手際も良くなり、上手に仕上げることができるようになります。
慣れと経験で上手になります
ハンドリングの硬さも決まる
上の工程の解説にある通り、TOPの蓋(のボルト)をきつく締めすぎると、タイヤが左右に動きません。ある程度…微妙に抵抗を感じるくらいに六角ボルトを締めて、お好みのハンドリングの硬さにカスタマイズしてしまいましょう。
蓋が付いていたトップにあるボルトの締め付け具合でハンドリングの抵抗感が変わってしまうわけです。
このボルトでハンドリング調整
TOPの蓋を固定しているボルトはそのままフロントフォークの上方向の締めつけボルトとなります。
この六角ボルトを緩めれば、ハンドルとフロントタイヤの動作はバラバラになるし、逆に締めつけると固定される。
TOPの六角ボルトは締め上げるとタイヤが左右に振れなくなるので、そのあたりの手加減も必要です。ある程度緩めれば、自由にハンドリングの軽さも作り出すことができるので、ハンドリングの軽さ/重さも調整する事ができます。
TOPの蓋を問題なく六角ボルトで固定したら、あとはハンドルバーをステムに取り付けましょう。
クロスバイクのハンドルを戻す
中央+レバー類の角度に注意
ハンドルバーをステムに取り付けましょう。
ハンドルバーの真ん中を割り出し、左右バランスの良い中央をステムに噛ませてください。ボルト固定の際は締め付けが偏らないように対角線上に少しずつ締めていきましょう。
今回はステム交換でしたが、作業工程の通り、ハンドルバーも交換できることになります。
さて、ステムの交換は無事終わったかな?
可変ステムについて
その場でカチカチ換えるわけではない
さて、これでステム交換作業は終了です。 なお、下の写真はスペーサーを組み替えて、ハンドル自体を低めに設置した時のもの。
ステムのおすすめはアームの角度を自由に変えることのできる可変ステム。写真のステムは可変ステムです。アジャスタブルステムとも呼ばれます。
上下に角度を変えることができる可変ステムですが、上半身の体重を支える重要なハンドル部分のため、その場でワンタッチでカチカチできる性質のものではありません。
位置(角度)を決めた後は、アーレンキー(六角棒レンチ)でしっかり固定することになりますので、覚えておきましょう。
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可変ステム(25.4mm径)
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【 2・3章内 関連ページガイド】
(っ≧∇)っ▶フレームサイズが合ってない!ステム交換決意編
(っ≧∇)っ▶ステムを換えたらどうなった!?ステム交換感想編
定番パーツや消耗品は何年待ってもほとんど価格は変わりません。
普段利用する使いやすいネットショップや、価格や送料など比較・検討して、早い時期から思い切って導入し、その後の乗り心地の良い状態を長く楽しんでいく方が、考えて悩んで買わない時間より有意義なクロスバイク生活になりますよ~。